峻悄 玻璃帛





峻悄 玻璃帛



=舞台設定=

 栄華を誇る大正時代の華族。富と名声を保持する世間離れした民衆には遠い世界。
 華族は神により近い人間であるという象徴でもあった。
 花の帝都。ハイカラと呼ばれる娘が番傘を持って町を彩れば、モダンボーイも色を添える。
 短いながら怒涛した時代に咲いた、憐憫にして耽美な恋のお話。

 -人物設定-

◇兼続
  伯爵の爵位を有す上杉家の当主、謙信にその才知を見初められ寵愛される事となる。
  近臣・直江の養子として上杉家の未来を補佐するべく英才教育を受けている。
  学校では特に同い年の三成と勉学芸術とも切磋琢磨しあっている。
  嗜みとしてバイオリンを習っており、趣味は剣術と読書。

◇三成
  伯爵の爵位を有す豊臣家の当主、秀吉にその才知を見初められ寵愛される事となる。
  秀吉の養子の形で育ち、将来は豊臣を補佐するべく英才教育を受けている。
  学校では特に同い年の兼続と勉学芸術とも切磋琢磨しあっている。
  嗜みとしてバイオリンを習っており、趣味は日本舞踊。

◇慶次
  伯爵の爵位を有す前田家の元跡取り。現在放浪中で前田家の悩みの種。
  美術に造詣が深く、馬術の腕は天下一品。嗜みとして習っていたピアノの腕も確かなもの。
  ひょんな事から、前田家と交流が深く厳粛主義を掲げる上杉家に預けられる事となる。
  本人は華族の枠組みから逃げたくて仕方が無い自由人。

◇左近
  帝都近郊にある、清濁併せ呑む洋風気触れした喫茶店を経営する店長。
  華族の御用達で婦女子から絶大な好評を得ている店だが、密会などにも使われる危うい店でもある。
  閉店時にはよくクラッシックギターの音色が聞こえる。
  頭が切れる故に政治に参加できない鬱憤を抱えても居る。